【報告】インドの反原発映画「ハイ・パワー:大いなる力」ツアーが無事終わりました

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お陰様でインドの反原発映画「ハイ・パワー:大いなる力」の上映会およびプラディープ・インドゥルカー監督の講演会が無事に終了いたしましたことを、遅ればせながらご報告いたします。

このツアーは、プラディープ・インドゥルカー監督自身が来日を決定したことに始まります。カリフォルニアの上映会でご縁の出来た私が、東京で二三ヶ所上映会をさせて頂く予定でしたが、「誰か知ってますか?」「日本は英語は通じませんよ」とツッコミを入れている間に、いつのまにか通訳兼コーディネーターとして、監督の上映会・講演会の全行程に付き添いをさせていただくことになりました。道中の出会いや、文化的交流や日々の葛藤(!!)などは、後日更新するとして、ざっくりとまとめさせていただきます。

開催期間:2014年7月17日〜8月26日
上映・講演会場数:23回(大阪、東京、神奈川、福島、山口、京都、神戸、長野、群馬、北海道)
観客動員数:約600名

全国での上映会と講演会・交流会では、以下の点について、活発な議論を行うことができました。

  1. 日印原子力協定の問題点(米印原子力協定や、1984年ゴパールガス爆発事故の経験も踏まえて)
  2. インドにおけるトリウム発電政策やエネルギー政策の歴史と現状
  3. 建設中のジャイタプール原発立地地域での人々の抵抗運動
  4. ジャイタプール原発立地地域近海である西ガットの海洋環境破壊の現状と課題
  5. タラプール原発の現状と、3.11前の日本の原発立地地域との共通点
  6. インドにおける福島第一原発事故についての隠蔽

また、このツアーやクマール・スンダラムさんの来日講演会などを通じて日印原子力協定の重要性についてもお知らせすることができ、京都や東京でモディ首相来日に合わせてアクションも行われました。オーガナイズしてくださった皆様に感謝しています。インドゥルカー監督からも、ジャイタプール原発立地現地で、福島事故後の日本での体験をさっそくプレゼンし、日本の皆さんからサインをしていただいた横断幕も届けられたとのことです。

今後はこのツアーでつながることの出来たご縁を大切にしながら、反核の活動をBad Seaweedとしてもぼちぼちやっていきたいと思います。

メディア

東京新聞さん、北海道新聞さん、週刊金曜日さんから取材をしていただき、またスナメリチャンネルさん、IWJさん、また独立メディアの皆さんによる中継・録画などもしていただきましたので、これは後日シェアをさせていただきますので、ご期待ください。

運営状態

各会場にて、主催者の方には監督への謝礼を1万円~1万5千円ほどいただきました。また通訳の萩谷宛にカンパを頂きました。日本語版DVDの収益は全て監督へのカンパとさせていただきました。交通費を別途でカンパしていただいたこともありましたが、途中の交通手段の変更や宿の関係もあり、7万円ほどの赤字が出ております。赤字分の回収については、日本語字幕(改訂版)のDVD(もちろん上映権つき!)販売で行っていきたいと思います。

監督の講演会や質疑応答の書き起こしをボランティアでしてくださる方を募集しています!お礼として完成後にDVDを差し上げます!詳しくはこちらから

Special Thanks

今回の上映ツアーでは、日本そして世界で核のない世界を創っている人々のネットワークによって導いていただきました。
まずDVDや広告製作段階で翻訳やデザインなどでお世話になった皆様にお礼を申し上げます。
名取 ともえ様 (Tomoe Natori)
常松 聡子様 (Satoko Tsunematsu)
殿平 有子様 (Yuko Tonohira)
萩谷 海 (Umi Hagitani)

そして、日本での広報、会場や宿泊先の手配など、様々な形でご協力いただいた現地コーディネーターの皆様に、心よりお礼を申し上げます。皆様のお助けなしでは成し得ないことばかりでした。
星川 まり様 (Mari Hoshikawa)
宇野田 陽子様 (Yoko Unoda)
佐藤大介様 (Daisuke Sato)
今岡 良子様 (Ryoko Imaoka)
松本恵美様 (Ami Matsumoto)
安積 宇宙様 (Umi Asaka)
藤井 千賀子様 (Chikako Fujii)
藤田 康祐樹様 (Yasuyuki Fujita)
相川 明子様 (Akiko Aikawa)
崔 勝久様 (Seungkoo Choi)
福永 正明様 (Masaaki Fukunaga)
西山 千嘉子様 (Chikako Nishiyama)
植松 明子様 (Akiko Uematsu)
「ドン★弥五郎」松永 隼人様 (Hayato Matsunaga)
ラン・ズウィンゲンバーグ様 (Ran Zweingenberg)
クマール・スンダラム様 (Kumar Sundaram)
小檜山 源の助様 (Gennosuke Kobiyama)
らんぼう様 (Ranbow)
藤村 伸二様 (Shinji Fujimura)
松村 志保様 (Shiho Matsumura)
岡林 信一様 (Shinichi Okabayashi)
チェイス・洋子様 (Yoko Chase)
小森佳美 様 (Yoshimi Komori)
辰巳 玲子様 (Reiko Tatsumi)
藤原 節男様 (Setsuo Fujiwara)
木村 雅英様 (Masahide Kimura)
山上 千尋様 (Chihiro Yamagami)
スニール・ラトール様 (Sunil Rathore)
安斎 由紀子様 (Yukiko Anzai)
浅井幹雄様 (Mikio Asai)
安田行純様 (Gyojun Yasuda)
矢向 由季様 (Yuki Yako)

そして私事ですが、私(萩谷)が北海道への避難・移住を行ったために、更新を怠っておりました。ご心配・ご迷惑をおかけした皆様、ごめんなさい。

文責:萩谷海
連絡先:amnioticfluid@gmail.com または090-4026-5974

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【報告】インド反原発映画「ハイ・パワー…」監督と回る広島・山口

インド最古の原発で、フクシマ原発に使われているGE社のマークIより古い世代のタラプール原発立地地域を描いたドキュメンタリー「ハイ・パワー:大いなる力」の上映ツアー、ついには長州力と安倍晋三(戸籍上)の故郷、山口県・広島をめぐりました。

DSCN23418月5日(後半):祝島を出て、カヤック隊メンバーの山本裕美さんの案内で室津港、田布施地区を回った後は、長州力の故郷である山口県は周南市の徳山駅に向かいました。今回山口県で三箇所(祝島、周南市、美祢市)の上映に至ったのも、偏に川内村の元村議の西山千嘉子さんと、この徳山にある弥五郎ドーナッツの「ドン弥五郎」こと松永隼人さんのおかげです。祝島のひじきをはじめとする、地産地消の材料を使ったオーガニックなドーナッツのみならず、店内では松永さんのお友達の演奏DSCN2343するレゲエが流れており、お友達の作ったふんどし風下着などが販売されていて、友達のネットワークがそこかしこに感じられます。車椅子で利用しやすいイートインスペース(トイレは和式ですが)というのもなかなか珍しいです。着いてすぐにドーナッツとコーヒーをいただきました。ドーナツが美味しい!

DSCN2358上映会には10名ほどの、地元で活動しているみなさんが見えました。上関原発での状況と比較した話、トリウム発電の話だけでなく、監督が作成したジャイタプール原発近郊の生物多様性についてのパワーポイントも初お披露目でした。終了後はオクラと納豆を使った丼をいただきました。「3年経って、反原発運動の盛り上がりが消えつつあるのに、どのようにジャイタプール原発に抗う人々を支援すればいいのか」様々なところで聞かれる質問が、ここでも出てきました。「福島や祝島のことをインドの人々も覚えているし、何かあった時は必ずレポートしています。だから日本でも皆さんがデモする時に、一言でもジャイタプール原発のことを添えて下さい」と監督からのリクエストがありました。弥五郎ドーナッツさんには、あのネイティブ・アメリカンの運動家であるデニス・バンクスさんも訪れてパイプ・セレモニーをしたようですが、ここで監督はお店の黒板にマラティ語で「ようこそ」と書いていました。
話は飛びますが、この日泊めていただいた、徳山駅付近の清水旅館さん、とてもおすすめです。
★弥五郎ドーナッツさんのHPはこちら→ http://yagorodonuts.soreccha.jp/
★清水旅館さんのHPはこちら→ http://nttbj.itp.ne.jp/0834210773/index.html

DSCN23598月6日:朝5時30分に起きて、広島へ向かいました。前日からの大雨で新幹線も普通列車にも遅れが出てしまい、原爆が投下された時間は満員の路面電車にゆられていました。この日の平和記念式典を目指して、世界中から人々が集まっているようで、ドイツ語やフランス語、ロシア語などが車内で飛び交っています。式典から少し離れた原爆ドーム前にも、全国の反原発・反核運動に関わる人々が集会に集合していました。かっぱを着ていて誰が誰だかわからない中、Peace Walkの濱田直翔さんがこれから仲間たちと歩き出すところでした。私たちはたんぽぽ舎や原子力資料情報室の皆さんを見つけ、中国電力本社前まで歩きました。核廃絶と平和のための連合やDianuke.orgの運営を行うクマール・スンダラムさんがかけつけ、日印原子力協定に反対する日本語での力強いアピールを行いました。インドゥルカー監督もアピール。アピール後は皆で弥五郎ドーナッツさんのドーナツを頬張りました。海外からの参加者にも大好評でした。
DSCN2362昼食は日本反核法律家協会(JALANA)の皆さん、そしてマーシャル諸島のみなさんといただきました。オランダのハーグで、マーシャル諸島から核保有国九カ国に対して、国際法上の核軍縮義務に違反していると確認するための訴訟が始まっており、そのアピールで来日された皆さんのお話を伺いました。
★マーシャル諸島を応援するキャンペーンはこちら!→ http://www.nuclearzero.org/jp

DSC_00148月7日:今日はノー・上映会、ノー・イベント、ノー・移動の日。こんな日は何日ぶりでしょうか?午前中は呉市にある海浜公園でのんびりしたり、ジャングルジムで遊んだりして、東京では出来ない大人保養を楽しみました。監督は原爆ドーム、平和記念公園、資料館などを周ったようです。

8月8日:この日は監督と振り返りミーティングをしてから、ゆっくり鈍行に乗って、ふたたび徳山に戻りました。路線図を指さしながら「ここが祝島」と指さしていると、偶然電車に乗っていた方が祝島出身の方で、話が盛り上がりました。徳山からは、またまた弥五郎ドーナツの松永さんにお世話になり、山口県美祢市にあるDSCN2357伝説のまなまなに向かいました。祝島だろうと美祢市だろうと、神出鬼没の松永さんを、質問攻めにしました。3.11前の世界旅行のお話や、山口県と自民党の深い関係、岩国基地や辺野古の話、祝島やドーナッツ屋さん、お子さんの話…聞きたいことがいっぱいあります。
監督に「なぜドーナッツ屋さんを始めたの?」と聞かれた松永さんの答えは「食べ物は全ての基本。一緒に作ったり食べたりすれば、推進派・反対派などを超えたところで繋がれる。お店にも色々な人が集まってきていて、政治的なイベントに関心のないお客さんかと思っていたら、『ハイ・パワー…』の上映会に見にきてくれましたよ」と教えてくれました。
向かった先美祢市は、数週間前に監督と出向いた靖国神社で見た(買ってない10584075_1441882649420625_2932636503857017958_nし、食べてないです)「国会ねじれ解消餅ー晋ちゃんの野望」の製造の地です。まなまなは山の中にあって、車を降りると日本の夏の虫の音が響いていました。川内村の元村議、西山千嘉子さんも、応援に駆けつけてくださいました。オーナーの源の助さん、ペン子さんから、カレーとチャイをいただいて、14名ほどの皆さんと上映会。参加者の中には元技術者の方や、カリフォルニア出身の方もいらっしゃったので、上映後のトークで話しが弾みました。翌日に嵐が迫っているのを感じたのか、身体が疲れて、とりあえずこの日はバタンキューでした。

【報告】インド反原発映画「ハイ・パワー…」監督と回る祝島・上関・田布施地区

インド最古の原発で、フクシマ原発に使われているGE社のマークIより古い世代のタラプール原発立地地域を描いたドキュメンタリー「ハイ・パワー:大いなる力」の上映ツアー、山口県は祝島での濃い二日間の後編です。(前編はこちら

8月5日:スナメリチャンネルの東条雅之さんの計らいで、朝からインタビュー三昧。
祝島には「地元の人による原発反対運動が盛んな島」というイメージを抱いていましたが、お話を聞くうちに、祝島出身でもUターンで戻った方、また島外出身者で移住した方など、それぞれ島に住む事情は様々であることがわかりました。DSCN2326
まず、地元で太陽光発電導入をして農家を営む氏本長一さんと、氏本さんのもとで農業を学んで以来祝島に移り住み、現在はカフェ・小岩井食堂を営む「たかちゃん」こと芳川太佳子さんのお話を聞きました。「私がここに住んでいるのは、反原発運動に加わりたいからではなく、この島の暮らしに本当に惚れ込んだからです。地元で食べられるものを皆で分けあって、こんな豊かな生活が出来るんだぁと希望を持って越してきました。そう思えば、原発も当然いらないですよね」、芳川さんの力強い言葉と共に、彼女が祝島で受け継ぎながら育てている小豆で作ったおしるこがすっと胸に沁みました。
(朱美プルショータムさんがこいわい食堂を取材した記事:http://greenz.jp/2013/11/20/koiwai_restaurant/

DSCN2318福島第一原発事故が起きる直前の2011年2月に、中国電力は上関原発建設予定地の田ノ浦海岸での埋め立て工事を強行し、会場と浜で激しい攻防(海上保安庁と中電の責任ですが)が行われました。祝島の漁師さんたちと、カヤック隊のメンバーからその時のお話を伺いました。柏崎刈羽原発への出稼ぎ経験もあるひさぼうさんが、「祝島には原発作業員として働いた経験のある者も沢山いるから、原発の恐ろしさというのはよくわかっているんだよ」と教えてくれました。釜ヶ崎でも感じたように、原発は立地地域と電気のエンドユーザーだけではなく、様々な地域のひとびとを何重にも巻き込んで苦しめるシステムだと感じました。
(上関原発建設反対運動についての詳しい経緯・支援はこちらで→http://stop-kaminoseki.net/)

DSCN2336祝島に別れを告げ、午後は祝島のカヤック隊のメンバーだった山本裕美さんに、室津港と田布施地域を案内していただきました。まずは中国電力のPRセンターへ。PRセンターは、マッサージチェアや血圧計、そして無料の喫茶サービスもあり、夏休みの子どもたちにとって、ゆったりと集まれる憩いの場です。PRセンターの職員の方に、上関原発と島根原発の安全対策について、教えていただきました。おそらく福島事故の後、PRセンターに働く人々にとっても「原発の平和利用と安全性」を説明するのは、相当な試練なのではないかと察しました。
地元の子どもたちが、頭を下げながら「こんな何もないところに、わざわざ遠いところからお越しいただいてありがとうございます」と監督を出迎えてくれて、とても複雑な気持ちになりました。原発はこんなに豊かな島々に住む子どもたちに、「ここにはなにもない」と言わせてしまうのでしょうか。
山本さんから、田ノ浦海岸での攻防だけでなく、建設資材の運び出し阻止を行った場所でのエピソードもうかがう中で、祝島の人々、カヤック隊、そして他の島などの支援者のつながりが見えてきました。島の人たちを島の外のひとびとが支援するという形だけでなく、逆にカヤック隊や島の外の支援者が島の人に助けられた話も学びました。DSCN2340
最後に見せていただいたのは、山本さんとお連れ合いが作っている田んぼ。ここではタニシ農法といって、ふだん害虫扱いされているジャンボタニシを殺さずに除草剤を使わないでお米を育てています。米国のガムのような形をしたタニシの幼虫と、除草剤もないのにまったく雑草も生えない田んぼに驚き、とても興味深く感じました。以前に山本さん(スナメリチャンネルの東条さんや、今後北海道でお世話になる安斎有希子さんたちも)の語る農業の楽しさに影響を受け、少しだけ自分(萩谷)もカリフォルニアで畑の世話を始めたので、今回こうしてみせていただいてとても勉強になりました。絶対上関原発なんて建ててはいけませんね。
(ジャンボタニシ農法について書いてある山本さんのブログではお米も販売しているようです→http://d.hatena.ne.jp/Julen/20120807

【報告】インド反原発映画「ハイ・パワー…」ついに祝島でも上映!

インド最古の原発で、フクシマ原発に使われているGE社のマークIより古い世代のタラプール原発立地地域を描いたドキュメンタリー「ハイ・パワー:大いなる力」の上映ツアー、大阪→東京→福島を経験し、ついに山口県祝島へ渡った話のリポート前編です。

DSCN22088月4日:広島から、電車で山口県の柳井港に移動。蓮畑や瀬戸内海の絶景も、重機や製紙工場の合間に並び、その中には日印原子力協定が締結されれば最初に利益を生み出すであろうMITSUBISHIの名前が。柳井港からは一日に3便のフェリーに乗って、祝島に向かいました。2011年2月に激化した、田ノ浦浜での中国電力による強制工事の様子を初め、全世界に祝島のことを伝え続けているスナメリチャンネルの東条雅之さんと監督でがっつりトーク。トリウムを使った発電に馴染みのない私達に、インドでの発電の仕組みについて説明してくれました。なにを隠そう監督は元核エンジニアなので、実際にウラニウムからプルトニウムを取り出すことができるのです。
この日はあいにくの悪天候で、楽しみにしていた月曜デモは中止。それでも周南市の弥五郎ドー10584103_1445152549093635_1950595174255934024_nナッツの店主、ドン弥五郎こと松永隼人さんたちの呼びかけで、40名以上の皆さんに上映会にお越しいただきました。
インドでも日本のどこかで漁民たちが抵抗運動をして長いこと原発建設を止めていると聞いていたので、皆さんにお会いできて感無量です。」「たった450人の島で巨大な電力会社と戦えるのはなぜですか?」いつもはわりと静かな監督が饒舌なのは、インドには漁業権という考え方がないので、土地を持っている農民に比べDSCN2246て、漁民は補償の対象にもならないからです。クダンクラム原発反対運動で海に船を出した人々のことを思いました。上関原発を建てさせない祝島島民の会代表の清水さんからは、53名による補償金の受取拒否、そして島の450名だけでなく、島外に住んでいる人々との連携について教えていただきました。最後は皆で原発反対エイエイオー!で記念撮影。
夜は祝島での脱原発運動に加わりながらバンド活動もするまことさんの、インドでレストランの台所に寝泊まりしながら3ヶ月修行して覚えたという特製カレーをいただきながら、さらに祝島住民に対するSLAPP訴訟について語り合いました。(上関原発建設反対運動についての詳しい経緯はこちらで→http://stop-kaminoseki.net/)

【報告】インド反原発映画「ハイ・パワー…」監督がゆく、東京アゲイン

インド最古の原発で、フクシマ原発に使われているGE社のマークIより古い世代のタラプール原発立地地域を描いたドキュメンタリー「ハイ・パワー:大いなる力」の上映ツアー、東京でまた新しい仲間と交流した記録です。

10552481_10152347324774958_1816751183552625987_n7月31日: 高速バスに乗って、福島県郡山市を出発して、新宿に帰ってきました。インドの反核活動家であり、核廃絶と平和のための連合やDianuke.orgの運営を行うクマール・スンダラムさんが、日印原子力協定に反対アピールを行うための緊急来日中だったために、監督と外国人特派員協会での記者会見、そして京橋区民会館でのシンポジウムに応援・参加しました。フクシマへの訪問と、同胞であるスンダラムさんの講演を聞いて刺激を受けたようです。この日は東京新聞の社会面に、原尚子記者によるインタビューが掲載されました。ありがとうございます。
この日はヒロシマからCOP12まで「地球は一つの大きな家族」をスローガンにピースウォークを行う濱田直翔さんと、ピースウォークを支えるお仲間との顔合わせもありました。応援してます!

http://www.youtube.com/watch?v=llgVXuElyyc
10590403_10152347326229958_6972584876090444770_n8月1日: 午後はティーチ・イン沖縄さんの主催で津田塾大学での上映会を行いました。東京新聞の効果もあり、40名ほどの参加者がいらっしゃいました。ティーチイン沖縄の上原こずえさん徳田匡さんによって、沖縄での米軍基地建設にともなう土地収奪、強制工事や補償問題とインドのジャイタプール原発建設地での状況が酷似していることや、英国からの独立も踏まえた上で、いかにインドも長い開発をしてきたかを、改めて振り返りました。参加していた方からは「私は在日朝鮮人ですが、今回の福島での事故で、日本に対する希望を完全に失いました。これからはカナダに避難します」とコメント。現在の日本の現状は、決して3.11に始まったことではないことであると改めて感じました。この日の通訳は、8bit Newsのしょうこさんにお手伝いいただきました。監督は単身ふたたび官邸前行動に参加しました。

8月2日:監督はお昼に週刊金曜日の村上朝子記者から取材を受けました(掲載は決まり次第お知らせします)。夕方から東京都台東区にある谷中の家さんの月イチ反原発映画祭での上映会を行いました。上映会とトーク、そして上映後のカフェトークで、たっぷりと東京のみなさんと交流をすることができました。監督曰く「独仏米でも上映ツアーを行ったが、これほど一人ひとりが、情熱を持って話し合おうとしている日本には驚く」とのことです。主催者のみなさん、観客のみなさんともに、官邸前行動でご一緒したり、原発だけでなく色々な問題(だけでなく解決法やアイデア共有の面でも)でフットワークの軽い皆さんから、監督とともに刺激をいただきました。この日も社会問題を研究する学生さんが通訳サポートとしてボランティアをしてくださいました。上映ツアーを通して、これまで見えてこなかった東京が見える思いでした。10409285_1445140772428146_583002811217825732_n

8月3日:日本山妙法寺の皆さんの車に便乗して、大船から広島へと移動の一日。監督は、谷中の家の植松明子さんからいただいた甘蔗珠恵子さんの「まだ間に合うなら」を熟読。

【報告】インドの反原発映画監督とゆく、ご当地フクシマ(2)

インド最古の原発で、フクシマ原発に使われているGE社のマークIより古い世代のタラプール原発立地地域を描いたドキュメンタリー「ハイ・パワー:大いなる力」の上映ツアー、ついに福島県での上映となりました。2度に分けてレポートの後半です。

DSCN20187月30日:滞在しているお宅は郡山市内の住宅地です。家の中の空間線量は38cpmから65cpm。また、外に出ると風向きによっては131cpm(3.92μSV)という数値でしたが、周りには食品加工工場があり、近隣の家ではふとんや洗濯物が外に干され、子どもたちが裸足で遊んでいます。

(余談ですが、私[萩谷]の住むカリフォルニアにあるディアブロ・キャニオン原発の風下地域でさえ、土のぎりぎりまでガイガーカウンターを押し付けて63cpmなので、私にとっての郡山体験は飛行機で飛んでいる時以外では一番の高線量経験です。ちなみにオークランドの私の自宅付近では8cpm〜24 cpmだったのですが、2012年には顕著に上がり、地面すれすれで38cpmぐらいは出るようになりました。長崎に落とされた原発を製造したハンフォード・サイト付近では普段は30〜50cpmぐらいですが、雨が降ると300cpmや800cpmに上がります。核兵器製造など米国由来の汚染もたくさんありますが、ご参考までに)

午前中、監督は川内村の元村議の西山千嘉子さんと共に、川内村の皆さんも避難したビッグパレットへ。私は郡山市内で放射線学習会なども開くFermi Ino Cafeさんにお邪魔して、黒糖きなこオレをごちそうになりました。

DSCN2037午後から夜まで、須賀川銀河のほとりさんで2度の上映会と監督トークを行いました。少人数でしたが、原発いらない福島の女たちの一人である銀河のほとりオーナーの有馬克子さんの創る地元のコミュニティ・スペースならではの、原発立地地域が向かい合うような交流になりました。福島原発告訴団の武藤類子さんからは、「原発というのは、差別的なものだということを感じます。このような事故を起こした日本がインドなどに輸出しようとしているのは、恥ずかしい、なんとしても止めたいです。インドでは温まった冷却水を冷やすことさえしていないと聞いて驚きました。」とのコメントとともに、インドの水質調査についての質問が出ました。また事故後一年後に他県へと避難された女性は「福島にいて頑張っていたけれど、その事自体に心身ともに疲れてしまった。今は避難して楽をさせてもらっている」と、監督のインタビューに応えてくださいました。

二回目の上映会では、福島・インド共通の医療・科学プロパガンダと、様々な自発的な療法についての共有がありました。バーバ原子力センターに働いていた監督は、一時期寝込んでしまうほど体調が悪かったらしいのですが、アーユルヴェーダ療法やヨガなどで体調を回復したとのことでした。有馬克子さんからは「自分では子どもたちに避難しろと言って保養プログラムにかかわり、食品を測定したり土壌を改良し、内臓を温めるような工夫をしながら皆が健康でいられるようにしているけど、この国は病気にならなければ気にも留めないのかと考えると常にジレンマを感じる」とのコメント。

監督は休憩中に銀河のほとりの市民放射線測定所の見学。インドにはこのような市民による測定がないそうです。銀河のほとりの皆さんによる、とてもとても美味しいお食事をいただきました。私は前日からなんの影響か身体の一部に痒みや瘡蓋ができていてだるかったのですが、お食事をいただいて気持がとてもほっと軽くなりました。

この日は会場にいらしていただいた原発いらない福島の女たちの森園かずえさんにインタビュー。映画「福島の女たち」に出演されたことで、インドでも反原発界を震撼させた森園さんに会えたことで監督はとても感動+緊張したそうです。森園さん自身の3.11前の生活の様子、初期被ばくや体調不良、除染やガラスバッジのお話しとともに、虫やいきもののお話しなどを伺いました。たしかに、郡山市のファミレスの明るい街灯には、夏だというのに蛾や虫が全く群がっていないのです。インドの環境歴史協会で働いておられる監督にも興味深かったようです。「インドで反原発運動に入る農民や漁民は、科学的に原発が悪いとかいう理屈ではなく、まず最初に生態系の破壊や自分たちのそれまでの生活や命が脅かされるということにそれぞれ共感をしているからこそ」と、福島の動物や植物も含めたいのちについて興味を示していました。

来る前に、福島県の地図を見ながら、「ここが浜通り、ここが中通り、ここが会津」と監督に説明したのですが、福島県の全地域が第一原発のそばではないという感覚は、なかなか実際に来てみないとわかりません。監督とは、線量の高い立ち入り禁止区域に入るかどうかで、とても沢山の話をしました。メディアとして行ってみたいという希望があっても、通訳や連れて行ってくださるみなさんを被曝させてしまうので、今回は上映会をすることが目的でそれ以上のリスクは負えないという話になりました。
今回の訪問で、福島第一原発からの距離だけでははかり切ることの決してできない、生活者としての体験を、森園さん、西山千嘉子さん、そして有馬さんを始め、皆さんに共有していただいたことに感謝します。また町の人が立ち寄るコミュニティ・スペースや行動をしてきた皆さんとたくさん出会いました。言葉に出来ない部分が沢山あるというのでは、レポートになりませんが、とにかく福島と共に心をそえていこうという思い、そして原発事故の果てしない大きさを少しだけ見た思いがしました。

 

【報告】インド反原発映画「ハイ・パワー…」と日印カレー同盟構想

おかげさまで、インドのタラプール原発立地地域を描いたドキュメンタリー映画「ハイ・パワー:大いなる力」の上映ツアーは、この一週間半で、ミニ上映会も含めて11回の上映会を終えました。簡単にリポートします。

1920357_10152332661504958_2260600707087606618_n26日:滞在先である九段下の日本山妙法寺のお寺で、一緒に滞在している皆さんとミニ上映会を開きました。カルカッタ出身で日本に在住歴の長いインド人男性は「反原発はいいけれど、そう簡単には変わらないよ。震災前は東電社員の人が左うちわだったじゃない」とコメント。たしかに、「ハイ・パワー」を見ると、3.11前の自分の視点というのが思い出されます。監督が打ち出したいことのひとつは、都市部で電気を使っているエンドユーザーの気付きなので、その点でも東京などに住む私達自身が問われていることを感じます。日印サルボダヤ友好会機関紙である「サルボダヤ」の小川さんから、記事を書いていただくことになりました。ありがとうございます!10387325_10152332661794958_2050717475479545765_n
まだ暑い夕方に、たんぽぽ舎へ移動。原発メーカー訴訟などで台湾・韓国・モンゴルとの交流を作ってきたNo Nukes Asia Actions-Japanさんのご紹介で、40名ほどの皆さんに上映&講演会にご参加いただきました。日印原子力協定についての食い込んだ質問や、インドの反原発教育などについての質問があり、フクシマ以降にジャイタプール原発のそばの学校に推進派の資料が配られて、高校生や親が抗議で一週間学校をボイコットした話などが初お目見えでした。(とにかく監督にガンガン質問してください!色々面白い話はまだまだあるんです!)
またインドの反原発イベントでも上映されている映画「福島の女たち」に出演された黒田節子さんの来訪に、監督は大感激でした。
それにしても、さすがたんぽぽ舎さん!慣れないプロジェクターやPAのセッティングや、会場から出た質問を通訳のために紙に書いてくださいました。また、今回本当はNo Nukes Asia Actions-Japanさんと講座を行う予定だったのを、福永正明先生が日程を譲ってくださいました。みなさん、本当にありがとうございます。

10563379_1694773557414806_119389386_n27日:監督がお昼に美味しいカレーを作ってくれて、日本にもたくさんいいカレーがあるのだから、日印カレー協定をちゃんと作ったほうがいいんじゃないか、という話で盛り上がりました(となると、ジャワやバーモント州?とも作らなきゃいけないのでしょうか)。
馬喰町にある馬喰町・スペース吉水さんでの上映会で、11名の皆さんにご覧頂きました。オーガナイザーの大石さんのご縁もあり、日印での社会活動に関わってきた方も多く、車座になって美味しいお菓子とお茶をいただきながら質疑応答をしました。あるシーンでエレベーターが7階に止まるのは、「ガンジーが指摘した7つの社会的大罪」とつながっているのかという質問に監督は「そんな視点あったのか!」とびっくり。上映後の時間も私達のために場を解放してくださり、ネットワークを作って下さった大石さんと、美味しいお菓子を作ってくださった福井さん、そして通訳の菊池恵子先生、ありがとうございます。
上映後の交流会(例によってカレー屋さん)では、なんとインドの反原発運動を題材に卒論を書いておられる琉球大学の学生さんから、監督へのインタビューがありました。上映会に参加した皆さんや私がやいのやいのと言いたいことをボンボン言いましたが、若い学生さんが興味を持っていることに、とても感動しました!監督からのアドバイスは一言「勉強を続けて下さい。そしてインドに来てください」